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3.その他

 3)オープン化時代の到来と対処

 2.Linux OSの概略と特徴
2006年12月1日

1. Linuxの概要
LinuxはOSの基盤となる中核ソフトウェア「カーネル」を指す呼び名です。このLinuxカーネルに各種のプロジェクトやライセンスの下で開発されたソフトウェア製品群をパッケージ化し無償で配布するLinuxディストリビューションを含めて「Linux」と総称します。

LinuxカーネルはOSの根幹としてコンピュータ・システムを統括し、他に多数のソフトウェアとの連携が必要です。各種のライブラリやサブシステム抜きにはシステムを構成出来ません。具体的な作業や業務に応用するには、各種サーバやアプリケーションも必要になります。そこでその必要を満たすソフトウェアがやはり無償で開発・提供されています。

Linuxカーネルで構築されたOS環境は、UNIXと同等或いはそれ以上の機能を有するものと見做され、一般的にはUNIX系OS、UNIX互換OS等に分類されます。従ってUNIXを扱える技術者はLinuxも容易に扱えるのです。但しUNIXの商標は取得しておらず、既存のUNIXから著作権の課題からソースコードの流用も行われていません。そこで正統なUNIXでもない為、本来のUNIXとLinuxを同一視するのは適切ではありません。



2. Linuxの始まりと成り立ち
Linuxカーネルは、1991年に当時フィンランドのヘルシンキ大学在学中のリーナス・トーバルズ (Linus Torvalds) が個人で開発を開始しました。開発の経緯はこちらをご覧下さい。(Linus Torvaldsが語るLinux) UNIX互換の機能を持つOSを動作させようとしましたが、商用UNIXは高価で他の技術も一長一短があった為に、トーバルズは自らOSカーネルを開発し、UNIX互換のサブシステムとAPIを作成し、GNU Projectのライブラリやtools環境と組み合わせてソフトウェアが使えるようにしました。

トーバルズが手作りで構築をした為に、Linuxは著作権上の問題を抱えず、無償で提供可能なUNIX互換カーネルと呼べる存在になりました。 PCでも動作可能な本格的なUNIX類似の環境を求める開発者たちの為に、トーバルズはLinuxを一般に公開し、GPLライセンスの下で使用許諾を与える様にしました。

その後、改良に参加する一般の技術者有志がLinuxの名の下に集結しました。1997年頃から商用目的への応用が注目され、2000年頃からIBMを始め、ヒューレット・パッカード、CGのシリコングラフィックス(SGI)、CPUのインテル(Intel)など米国シリコンバレーを代表する有力企業に勤務するプログラマも開発に加わりました。この様に多くの人々の協力でソフトウェアが開発される環境の出現は、それ迄の一私企業内部で行われるソフトウェア開発の常識では考えられない結果を齎(もた)らしました。それが故にLinuxがインターネットによるオープン化の象徴と云われるのです。その後もLinuxカーネルはフリーソフトウエアとして世界中のプログラマや企業により開発が続けられ、発展し、世界的に利用されるOSになりました。
[ 英文翻訳:InfoseekExite ]



3. Linuxの技術水準と利用(応用)事例
Linuxはオープンソース(Open Source)のOSなので、Microsoft Windowsが典型的な様に、一般へのソース(source)の開示や参照がほぼ不可能なOSと異なり、より特殊な用途への対応や調整が可能です。そこでLinuxの応用はより広範に行われています。

ネットワーク機能やセキュリティーに優れ、OSとしての動作も非常に安定しています。現在ではホストコンピュータ用OSとして、商用UNIXと比較しても遜色がない技術水準に達し、実際に多くのServerがLinuxで稼働しています。スーパーコンピュータ や汎用機或いはスーパーコンピュータ用カーネルとしてLinuxは広く採用されています。

各種ネットワーク系サーバ(ウェブサーバ、データサーバ等)で小中規模ネットワークに於けるサーバOSに利用される例が一般的で、安価なPCや小型サーバ等を束ねるミラーリング(mirroring)とクラスタリング(Clustering)環境にも応用されています。

家電製品等の小規模な情報機器への組み込みOS(組込みLinux)にも広く普及しています。プリンタ・サーバやコピー機、デジタルカメラやルータにも応用され、PDA等の携帯端末や携帯電話等小型情報端末の組込みOSとしても普及しています。

概して一般消費者の目に直接触れる製品の表面よりも、それらの製品に使われる部品に組み込まれ、或いはWeb ServerのOSに利用されるなど、インフラを担う「縁の下の力持ち」として活躍しています。理工系の学生やコンピュータ業界の技術者や、コンピュータ技術に通暁した人々が、安価なUNIX互換ワークステーションとして利用する場合が多い様です。日本のパーソナルコンピュータ市場に於けるデスクトップPC用のOSとしては、Windowsの圧倒的なシェアを覆す程普及はしていません。

一方中国で中国語表記を目的にしたナショナルOSの開発計画では、Linuxがベースに使われています。発展途上国での情報通信技術(IT)の恩恵を受けることのできる人とできない人の間に生じる「情報格差(デジタル・ディバイドDigital Divide)」を埋める為に100ドルPC配布計画があり、PCのOSにはLinuxが使用されるそうです。



4. Linuxの配布方針
Linuxは既存のOSのコードを流用せず、一から書き起こされたOSです。Linuxのカーネルはソースリストとして単独でWeb上に公開されています。他の応用プログラム等と組み合わせて実行バイナリを得て初めて、各種サーバやアプリケーション、ウィンドウシステム等を連動させられます。

LinuxはGPLというライセンス体系に基づき、誰でも自由に改変・再配布が出来ます。但し改変・追加した部分はGPLに基づいて無償で公開しなければなりません。そこで多くのLinuxディストリビューションでは、カーネル、ライブラリ、ツール環境、コマンドラインシェル、コンパイラ、テキストエディタ、X Window System、ウィンドウマネージャ、科学技術計算用ツール、その他オフィスアプリケーションソフトなど、何千ものアプリケーションパッケージを選択できる様になっています。

このような環境をゼロから構築し且つ維持運用してゆく作業は、一私企業では難解且つ煩雑です。インターネットの商用化が開始され、オープン化の時代が到来したが故に、知識の共有化が行われているのです。この恵まれた環境を利用出来るか否かが今後のIT化を左右すると云っても過言ではありません。





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